額縁の解析可能性と対費用効果

記録の少ないことで知られる額縁ですが、ならば現存する額縁を現代のⅩ線や赤外線といった最新技術調査機器を駆使すれば解明可能と思われるかもしれません。その使用されている材質にしても、最新の化学分析技術をもってすればかなりの成分解析も可能となるでしょう。

ただし、ここで考えなくてはいけないのが、そこまでして時間と費用をかけ解析する必要性があるのかどうか、と問われるとその事例は少ないというのも事実かもしれません。まして調査後の復元の完璧性をも考慮すると、その困難さは容易に想像でき、増々その可能性は低くなると言っても過言ではないでしょう。

一方で解明に必要性が叫ばれるときはあったとしても、対費用効果等を考えてしまうと躊躇する、という板挟みでの判断が求められてしまうというのが現場の偽らざる声なのかもしれません。