額縁のある風景

西洋画の美しさは、その額装までもが作品のなかに一体化していることにも表現されていると言われております。絵画や書などをご自宅に飾る際、皆さんはその額縁や額装のデザイン性などを意識されていらっしゃいますか。

元来、日本人の習慣のなかに写真や絵画を壁に飾るというような事柄が伝統のなかに深く根付いていないこともあり、額縁のあり方や額装のデザインにまで気を配る方は少ないかもしれませんが、欧州全般の歴史ある文化のなかでは、アートのなかに額装飾が存在する意義は非常に意味深いものとされているようです。昨今の日本国内のメジャーな雑貨屋さんなどをのぞいてみると、アクリル製のシンプルなフォトフレームなどをみつけることはできますが、額装飾などと世別ようなフレームは、専門店にまで足を伸ばさないとどうやらその存在は確認できないようです。

もともと、日本人の感覚のなかにインテリアとして絵画や家族写真を飾るというような習慣が深く浸透していないこともあるのかもしれませんが、日常風景のなかに大切な人の写真や思い出深い絵画があるということは、この上なく居心地の良い空間なのかもしれません。


床の間の額縁と掛け軸

和室の床の間に西洋画を飾ることは、海外の人々が掛け軸をリビングの壁に無造作に飾ることのように違和感を覚えるものですが、見慣れてくるとなんの違和感をも感じなくなってきました。

日本文化の歴史のなかに額装は、和額にはじまり現代において「額装」と呼ばれているような洋額が一般の人々にも知られるようになったのは、明治時代以降であるようです。明治時代は、それ以前の江戸時代において鎖国を行ってきた日本の国が開国したことを受けて様々な西洋文化が流入してくるようになりました。洋額もその当時、西洋画などの目新しい西洋文化とともに人々の間に広まっていたようです。

西洋では額縁の歴史は古く、先史時代にまでさかのぼることにもなるようです。現代では日本でも様々なマテリアルの額縁が、自由な発想でインテリアや暮らしのアイテムとして活用されておりますが、地震が比較的多い日本では壁に絵画や写真を飾る文化はなかなか根付いていないのも仕方がないことでもありますね。最近は、床の間自体もあまりみかけることはなくなりましたが、床の間の西洋画もなかなか乙なものだと考えるようになりました。皆さんは、床の間に何を飾りたいですか?