キリスト教美術の表現の場とは

礼拝の場として、聖堂がヨーロッパ各地に建てられました。キリスト教は国教として公認された宗教となり、イタリアを中心に広くヨーロッパ全土へと浸透したのです。キリスト教美術も表現の場を、家やカタコンペといった私的な壁面から聖堂の壁面や天井、祭壇装飾といった公的な空間へと発展していったのです。額縁や額装の発展にとってとても重要なことがあります。それは絵画が壁画ではなく木の板やキャンパスに基材として描かれたことです。板絵のイコンや祭壇画という壁画から自立したものになったのです。移動ができるよになった絵画には、その枠に彫刻や石膏のレリーフ、金箔といったものの装飾が施されるようになりました。額縁の原型といえるそのイコンや祭壇画の周辺の枠以外にも扉の装飾や象牙による工芸品などの縁取り装飾を見ることができるそうです。