絵画の変化が額縁にも反映

フィレンツェにあるサンタ・クローチェ聖堂の聖遺物棚にみられる祭壇画には、十字の花弁を模した枠で囲まれています。聖堂という場所柄ゆえ宗教的な要素を図柄に用いるのが当然という中にあって、その枠は一種かけ離れたかのように見える、これからの額縁はこうあるべきとでも言わんばかりの特徴持ったものと映ると言われています。これからの額縁への過度的な形態として貴重なものとされています。絵画がその趣を目に見えないものを描くような宗教的ものから現実に存在するものを感性込めて描いていくような方向へ向かっていくのと機を同じくするように変化を遂げていく額縁はこれからどのように発展していくのか楽しみとなる気配を匂わせていると言っていいのかもしれません。