「ロココ」から「新古典主義」

「ロココ」は享楽的で過剰な装飾などと表現されることもありますが、フランスの宮廷を思わせるような優雅で華やか、さらには官能的なイメージが特徴です。ロココ美術やロココ芸術などとも称されることもありますが、響き的にもフワフワとしたイメージの芸術作品がフランス国内で流行したのは、それ以前のルイ14世による絶対王政によるところの抑圧的な勢力への反動であるとも言われております。威圧的な絶対王政の時代に耐えきれなくなった人々の爆発的なフラストレーションが、「ロココ」芸術を生み出したと考えられております。ロココ芸術がフランスでムーブメントとなった18世紀、ヨーロッパの地域では「バロック」が流行していた時期ではあり、「ロココ」はフランスが生んだ独自の芸術様式とも呼ばれています。フランス革命以後、さらにはフランスを中心に「新古典主義」などと称される新たな美術様式が生み出されるとともに、古代ギリシア、古代ローマ芸術への憧れが絵画作品などに投影されていくようです。このような芸術作品の流行の様変わりは「ロココ」の時代に弾けた人々の快楽主義が、新古典主義へと反動のムーブメントを起こしたなどとも考えられているようです。さらには当時、イタリアの古代都市ポンペイが発掘されはじめたことから人々の興味が古代芸術に注がれた流れを汲んでいるとも言われております。