写真と文字のレイアウト

読み手のイメージを膨らませる方法の1つに、写真と文字を一体化させてレイアウトする方法があります。写真の上に文章をレイアウトすることでデザインに一体感が生まれ、相乗効果で写真がよく見えるようになるため、シンプルではありますが、とても効果的です。 
 まず、写真の上に文章をレイアウトするには、文字と背景のコントラストが十分かを確認する必要があります。なぜなら基本的に文字は、写真の色数やコントラストの幅が少ない「情報量が少ない部分」に配置するからです。例えば、青空と海の写真は、色のコントラストは幅がありますが、ほぼ同系色のため「情報量が少ない」写真と言えます。しかし、夕空と海の写真はオレンジ等の色数も増え、濃淡も出てくるので「情報量の多い写真」となります。また、文字を乗せるスペースが窮屈だと、美しくないだけでなく、読み手が圧迫感を感じてしまいます。情報量の多い写真に文字を乗せる場合には、写真をトリミングするなどして、コントラストが十分に確保できる場所を作りましょう。写真全体の情報量が多く、トリミングで解決できない場合には、文字にデザイン的な処理を加える必要があります。写真の印象や雰囲気を壊さないよう注意しながら、文字に色をつけたり、写真の上に半透明の色面を配置して文字を乗せるスペースを確保したりと工夫してみましょう。 
 また、レイアウトを考える際に、写真を角版で配置するか切り抜き版で配置するのかによってもレイアウトのバリエーションが変わります。切り抜き版にすると写真の余分な情報を削除できるため、レイアウトスペースを広くとることが可能となるのです。 
 デザインの正解は1つだけではありません。時間が許す限り様々な方法を試して最適解を探してみてください。