フランス王シャルル7世の肖像

『フランス王シャルル7世の肖像』は1450年ごろに描かれたそうです。それはまるでカーテンの掛けられた窓越しに王を望むかのような構図です。周囲の黒い額縁が窓枠のような建築的な効果を生んでいます。深いグリーンの背景にワインレッドの衣装と黒い額縁のコントラストは、絵画としても額装品としてもとても重厚だと思います。

額縁の上の枠には、「勝利に輝くフランス王」、下の枠の部分には「その名はシャルル7世)と、百年戦争を終結させた王の偉業を讃えた銘文が記されています。

シャルル7世は、ジャンヌダルクを見殺しにしたエピソードで知られています。肖像画は窓から遠くを見つめるような視線が冷たい印象があります。

額縁の黒色は絵画のように着色されているそうです。ヤン・ファン・エイクの肖像画の額縁と同じトロンプルイユによって大理石のような石目模様が施されています。