ギリシャやローマの額縁について

古代の絵画や浮き彫りの枠の形状はや装飾模様は、その目的や描かれた場所によって違ってきます。それでも、その枠は自立してるものでもありませんし、やはり現代の私たちが考える額縁と見て良いと思います。ピラミッドの奥深くに描かれている壁画の周囲にも規則正しく描かれた縁取り枠があります。ブロックボーダーやロータスの繰り返しパターンが描き出している模様、ギリシャやローマの神殿、住居跡に残るモザイク画の周囲の縁取り装飾から黒像様式の壺に描かれたメアンダー模様やバルメット(ナツメヤシ)を図案化した装飾。古代から、絵画は縁取りとともに描かれているようです。縁取りと一体化した存在である枠ですが、平面的な縁取りは意匠的な効果があると同時に、絵画を保護する立体的な自立する額縁へと発展したと言えるのではないかというのです。