ヨーロッパ美術史「近世へ」

ヨーロッパの中世の時代、西洋美術はキリスト教との深いつながりのなかで様々な表現様式が生み出されてきました。中世から近世に向かう社会のなかで西洋美術のあり方に変化がみられたキリストの姿は、西洋美術史のなかでも度々、人びとによって語られる事柄でもあります。教会に権料や財力が集中する、なかでキリストの存在は絶対的もあった世の中において、唯一無二の神であったキリストは近世の時代に近づくにあたり神から人間的な存在に近いものとして表現されるようになったそうです。キリストの教えは天の神からのメッセージではなく、人間的な共感を呼ぶメッセージと捉えられはじめたのかもしれません。教会の壁画に描かれたキリストの表情に、人間的な部分が垣間見られるようになるのが中世から近世にむけての時代であったようです。